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LoveSickness
アムネシア



【Platonic love−イッキ×ヒロイン−より抜粋】



思いがけない言葉に、目を瞠った。それと同時に、いき
なりお姫様抱きでかかえあげられてしまう。
「えっ」
 抗う間もなかった。イッキは、軽々と身体を抱き上げた
まま、部屋に向かっていく。
「お、おろしてください。重いですから……っ」
 だが手は放してもらえない。
「君は軽いから気にしないで。それにもう目的の場所には、
着いたから大丈夫だよ」
 ようやく身体をおろされた場所はベッドだった。
 おもわず生贄の少女のように、胸の前で手を固く組み、
身体を強張らせてしまう。
 この状況のいったいなにが、大丈夫だというのか。
 まったく大丈夫な気がしない。
 呆然として見上げると、そこには整った顔を歪ませ、薄
く笑うイッキの姿があった。
「……まだ、眠るような時間ではないです……けど……」
 こっそりとベッドから抜け出そうとした。だが、覆いか
ぶさるように両脇に手をつかれてしまい、逃げられない。
「今夜は君を眠らせるつもりはないから、安心して」
「……っ!?」
 コクリと息を飲む。
「イッキさん……」
 なんの意図があって、こんな真似をするのか。聞こうと
すると、ワンピースのリボンをゆっくりと解かれていく。
「僕が今から、なにをするのか、知りたい?」
 その言葉に、真っ赤になって俯いてしまう。
「……あの……」
 解らないわけではない。ここに来た当初は臆病になって
躊躇していたが、最近は毎晩一緒に眠っているし、イッキ
に触れられるも、これが初めてではない。
 解っているのだが、唐突過ぎて戸惑ってしまう。
 それに、なにかいつもと様子の違うイッキの姿が気にか
かる。
 狼狽する間にも、スカートの裾が捲り上げられて、赤い
チェックのタイツを纏った太腿を撫で上げられた。
「……や……」
「僕に触れられるのが、嫌ってことかな」
 イッキに触れられることが嫌なのではない。そうではな
くて……。
「……違……、は……」
 恥ずかしいのだと訴えようとした。だが、緊張のあまり
言葉が出ない。
「恥ずかしい?」
 たじろいでいると、イッキに尋ねられ、コクリと頷く。
 顔から火を噴きそうだ。せめて部屋の灯りを消して欲し
かった。それよりも、お風呂に入りたくて仕方がない。
 汗ばんだ身体を、綺麗なイッキに見られるなんて、恥ず
かしすぎる。
「性急な男は嫌い?」
 そんな尋ね方をしないで欲しかった。ここで拒めば、イッ
キのことを嫌いだということになってしまう。
「……」
 躊躇いながら、微かに首を横に振る。すると、その行為
を了承ととられたのか、顔が近づけられた。
 唇が重なりそうになる寸前、声をあげる。
「待って……くださ……い」
 震える声で訴えると、イッキは口づけをやめてくれた。
「どうしたのかな。キスしたくない?」
「違……ん、んぅ……」
 それは違う……と、否定しようとしたが、唇を奪われて
言葉が紡げない柔らかな感触が擦れあい、ジンとした疼き
が身体を走る。
「それとも……君は、僕と一緒にいたくない?」
 どうして、そんなことを聞かれるのか解らなかった。
 一緒にいたくないなんて、思うわけがないのに。
「い、一緒にいたいです」
 震える声で訴える。
「それが、心からの気持ちだと嬉しい」
 イッキの声は、どこか淋しげに聞こえた。
「嘘なんて……」
 心からそう思っている。なにがきっかけで疑われてしまっ
たのか、さっぱりわからなかった。
「……それなら、受け入れてくれるよね」
「えっ!?」
 腹部で布地の重なっていたワンピースを、そのまま胸の
辺りまでたくし上げられてしまう。
 イッキは器用に、ブラまで一緒に引き上げたため、ふん
わりとした胸の膨らみが露わになった。
「……やっ……!」
 恥ずかしさのあまり、胸を両腕で隠した。部屋の灯りは
煌々としている。そんな場所で、胸なんて露わにできない。
「見せて」
 だが、イッキは信じられない願いを告げてくる。


        ......Coming Soon 【LoveSickness】


author:仁賀奈, category:パロ同人サンプル, 17:20
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